マレーシアのペナン島に子供と移住してきて、今月末(2019年8月)で6年半になります。
日本を取り巻く様々な状況から海外移住を目指す人が多くなり、ツイッターを通してこちらでの生活について質問を受けることも増えました。
今回は、勢いでペナン島へ引っ越してきた私がこの6年半のマレーシア生活を振り返り、良かったと思うこととそうでないことを赤裸々にお伝えします。
結論を先に言えば、
海外移住はそれぞれの目的や置かれた状況によって満足度、幸福度に差が出ます。また逆に目的や置かれた状況が同じでも、感じ方は人様々です。
なのでこれはあくまでも私の個人的な感想であることをお断りした上で、マレーシア移住、マレーシア母子留学、親子留学、長期滞在などを検討されている方の参考になれば幸いです。
ここにたどり着くまでの道のりを詳しく書いた「シングルマザー マレーシアペナン島移住への道 私のストーリー」の記事はこちらです。
目次
スポンサードリンク
ペナン島へ来る前のこと
ここへ来るに至った経緯をザッと説明すると、
- 米国でシングルマザーで息子を出産
- 息子が3歳前に日本へ帰国
- 英会話講師として働く
- 地元の公立小学校へ息子が入学
- 1年生の3月に311東日本大震災発生
- 母子ともに健康状態悪化で移住を決意
- 国内移住を模索するも職が見つからず
- 海外移住に目を向け始める
- マレーシアペナン島の存在を知る
- ペナンの空き家住人募集 に応募
- ペナンでの仕事を探すがナイ...
- 政権交代を機にペナン島移住を決意
- 出国10日前に英語関係の在宅仕事をゲット
- 2013年2月27日ペナン島へ到着
- 息子インターナショナルスクール入学
- 在宅の仕事を半年後に辞める
- スカイプレッスンを増やし現在に至る
という流れです。
ペナン島を選んだ理由
311後の私の健康状態がとても悪く、このままでは息子一人を残して自分が先に逝ってしまうのでは?と真剣に恐れていました。
なので、海外へ出られる場所なら、正直なところどこでも良かったのです。
それでも、行ったこともないマレーシアペナン島へ息子と引っ越すことにゴーサインを出せたのは、以下の4つの理由からでした。
- 物価が安い
- 英語が通じる
- 多民族国家
- 学費が高くないインターナショナルスクールの存在
もう少し詳しく説明します。
物価が安い
当時、東京のマンションに息子と2人で住んでいた時は、高い家賃を払いながら生活していくのに精一杯の日々でした。お金は稼いでも稼いでもどんどん出て行くばかりで、貯金などたいしてできません。
体調を崩して働けないことが半年ほどあったのですが、ひとり親で働けないとなると、一気に経済状況が悪化することを実感しました。
調べてみたら、ウソかホントか『マレーシアの物価は日本の1/3』という情報を目にし、それならば東京に居続けるよりも早く移ったほうがいいのではと思うようになりました。
ちなみに私は引っ越して来る前に、ペナン島を下見で訪れていません。下見をしてから決めるだけの経済的余裕がなかったからです。
マレーシアは英語が通じる
そして言葉の問題です。
私は大学はアメリカの州立大学を卒業していて英語が話せますが、子供の頃から英語環境に居て自然に英語を身につけた帰国子女ではありません。成人してからの英語習得で、自分でもかなり努力した結果です。
正直に言って、海外へ出てまた違う言語を一から始める気力はありませんでした。そうでなくても体調が思わしくなくブルーな日々に加えて、知らない土地へ行き右も左も分からない中、言葉さえわからないのは負担が重すぎました。
調べたらマレーシアの公用語はマレー語らしい、でも基本的に老若男女英語での会話ができる、ということがわかり「ヤッタ!」と思いました。
留学時代にマサチューセッツでハウスシェアをしていたことがあり、ハウスメイトのひとりに中華系マレーシア人の男子留学生がいました。彼の話す英語は中国語のような訛りが強く、聞きづらかったことを思い出しましたが、慣れればわかるようになるかな、と。
なので、マレーシアでは英語が通じるという点でまず語学のハードルが低かったということがあります。
多民族国家マレーシア
次に重要なポイントだったのは、マレーシアがマレー系、中華系、インド系を中心とする多民族国家であったことです。
私は約13年半のアメリカ滞在中、カリフォルニア、マサチューセッツ、ニューヨークに住んでみて、一番居心地が良かったのがニューヨークでした。
世界中の人々が集まっていて、服装から物事の進め方から価値観までそれこそ何でもあり。これが標準!というようなものがなく、そのままの自分でいることができました。
自分が周りと違うとか、日本人やアジア人であることを特別に意識させられることもなく、心穏やかに大勢の中に紛れ込んでいられるような感覚がありました。
元々団体行動が苦手で、周りに合わせて自分を押し殺さなければならないような環境は、ストレスが溜まり楽しくないのです。いろんな違った人の中にいる方が居心地がいい。
なので日本のような単一民族の国への移住は気が進まない、ということもありました。様々な民族がいれば『違い』に寛容なのではないかと。もっともこの時点では、ただの期待に過ぎなかったのですが。
移住を決めた時のツイートにこんなものもあります。
他人と違うことは素晴らしいことだと常々息子に伝えている. でも日本の中ではいまだになかなか実感出来ないでいるらしい. 顔つきが純日本人でない彼が自分を100%肯定出来るよう 多民族国家マレーシアには大いに期待している
— Single Rose (@Single_Rose2003) February 10, 2013
学費がそれほど高くないインターナショナルスクール
そして決め手となったのが、頑張れば私にでも学費を捻出できそうなインターナショナルスクールをペナン島に見つけたからです。これが一番重要でした。
物価が安く英語が通じる多民族国家であっても、子供が通える学校なしには移れません。
海外移住を検討し始めた当時は『インターナショナルスクールはどこも学費が高い』との印象を持っていました。実際に自分が調べたほとんどの学校はそうだったのです。
マレーシアのインターナショナルスクールは、年々、また学年が上になるに従って学費もあがっていきます。
今から7年前で当時まだ9歳だった息子は低学年だったので、それほど高くない学費で英語での教育を受けられる学校があることがわかり「ここだ!」と決めました。
スポンサードリンク
ペナン島へ来た当時のこと
2013年2月末にペナン島へ来た時には、それまでの体調不良に加えて、急に決めた海外引越し作業のキツさで体がボロボロの状態でした。
でも気持ち的には「これから英文添削の新しい仕事とスカイプレッスンをオンラインで行い、経済的な安定を得よう」と希望に燃えていました。
そして息子は英語ゼロの状態からインターナショナルスクールが始まりました。日本にいた時はひとり親で生活を回していくことに手一杯で、息子に英語を教える余裕がなかったのです。
元々下見に来ておらず、マレーシアの他の地域にも行ったことがなかったので、マレーシアという国に対して先入観がなかったことが自分にはかえって良かったと思っています。
『期待ハズレ』ということがなかったからです。期待していたものと現実が違うという状況は、ストレスが大きくなるので。
もちろんマレーシアへ来ることを決めてからは、図書館で本を借りて読んだり、インターネットで調べたりはしています。でも知識だけあっても行ったことがない場所は、私にとっては未知の世界です。
なので、この地に暮らすようになって遭遇することは「へぇ〜マレーシアではこうなんだ」とフラットな気持ちで受け入れることができました。遭遇してきたアレコレが好きかどうかは別の問題として。笑
しばらく経ってから見えてきたこと(インターナショナルスクール)
前回の記事「シングルマザー マレーシアペナン島移住への道 私のストーリー」にも書いたように、出国前に幸運にも手に入れた新しい仕事が、実はかなりブラックな労働環境であったことから、普通の生活が送れなくなり、約半年後に泣く泣く辞めています。こちらです ↓
-
シングルマザー マレーシアペナン島移住への道 私のストーリー
2013年の春にマレ& ...
続きを見る
そしてにスカイプレッスンの生徒さんを増やし現在は生計を立てています。
インターナショナルスクールに子供が通ってみて
息子のインターナショナルスクールに関して言えば、最初に通っていた学校は、事務の方々が生徒ひとりひとりの名前を覚えているほどアットホームな雰囲気でした。
新しい環境に子供が入って行きやすく、さらに英語力ゼロでも入学できたので、最初のステップとしては良い選択だったと思っています。
けれども段々と様子がわかってくると、英語は『マングリッシュ』と言われるブロークンな訛りの強い英語が主流で、授業や教師や学校の運営そのものにも不満がつのり、途中から別のインターへ転校しました。
あくまでもその当時の個人的な体験からくる判断ですので、現在の様子はわかりません。
一口にインターナショナルスクールと言っても、学校によって大きな違いがあります。単に『良い VS 悪い』ということではなくて、自分が何を求めているかによって満足度も変わるということです。
幸いマレーシアでは途中で学校を変えるのは珍しいことではないので、合わないと思ったらサッと転校できるのは有難いことです。
次に転校したインターナショナルスクールは、安心材料は増えたものの、1年経過するとやはり諸々不都合が出てきました。
それまでの先生方が他の学校へ移られ、急激に授業がつまらなくなったと息子も言います。そして英語の面でも、ここの学校で話されている英語は、私の期待するものではありませんでした。
当時その学校で課外活動を受け持っていた方から直接聞いたことですが『生徒の英語力の低さに正直驚いた』と。
息子は日本語の教育を受けておらず、こちらの補習校にも通っていません。今後日本で暮らす可能性も低いので、英語を主要言語として生きていくことを前提にすると、きちんとした英語を使えるようになって欲しい。そうなると、インターナショナルスクールの英語のレベルは非常に重要でした。
インターナショナルスクールといっても、そこで話されている英語には大きな違いがあることを知りました。
自分が子供のインターナショナルスクールに期待すること
ではここで、自分が何を求めているかについて触れておきます。
自分の頭で考えさせる教育
生きていく上で、物事を自分で判断し選択していくことを可能にする教育。
私の知る範囲では、こちらのインターナショナルスクールは、暗記などには重点が置かれておらず、自分の頭で考える教育をするところが多いようです。その面ではクリアー。
民主的であること
次に、この部分が学校によって差があるという経験をしたのですが、生徒と先生の関係が近く、フレンドリーで対等であることが重要だと考えます。
『先生は偉い』との価値観から、教師が絶対的権力を握っていて理不尽な行動を取っても許されたり、上からの力で押さえつけるような学校は好ましくありません。
これは私が若い時期の大部分をアメリカで過ごした経験から、自分に染み付いている感覚なのですが、人間の関係が対等であることが大事だと思っているので、教育の場で子供が上下関係に置かれるような環境には抵抗があるのです。
そうなると、教師がどのような価値観が根底にある文化圏出身なのか、ということも大事なポイントになってきました。実際に息子が体験した様々なことからこのように考えるに至ったのですが、この話は簡単に書けることではないので、ここでは省きます。
英語のレベルが世界的に通用するものであること
繰り返しになりますが、英語を主要言語として生きていくのに、正確な英語を身につけられる学校であること。これはその学校の生徒や教師がどのような英語を話しているのかを聞けば、判断できます。
実際に知り合いの日本人のお子さんでも、例えば片親が英語話者であるような場合を除いて、マレーシア滞在期間が同じであっても、英語力の高いインターへ通っている場合と、そうでない場合の英語力にかなり開きがあることを目の当たりにしています。
『英語はコミュニケーション能力の有無が重要なのでブロークンでも構わない』『いや、きちんとした正確な英語を習得すべきだ』という話題がよく議論されますが、私は単純に自分が良いと思う方を目指せばいいと思っています。どちらが正しいとかいうことではありません。
その上で自分の息子には、主要言語として生きていくためには後者が必要だと思うので、どのような英語が話されているインターナショナルスクールなのかは、重要で外せないポイントになりました。
この辺のことは、ペナンへ最初に来た当時は全く考えていなかったことです。
現在の学校
今、息子が通っているインターナショナルスクールは、上記の3つのポイントが全て叶った素晴らしい学校です。日本の公立小学校から数えて4校目でようやく「素晴らしい!」と思える学校に出会えました。
ペナンへ来て今までの3校の中では一番勉強が大変で、帰宅してから机に向かわなければならない時間が圧倒的に増えましたが、息子は授業が面白いと言います。そして本人も今の学校が一番好きだそうです。
ツイッター@Single_Rose2003でも学校の様子をたまに呟いていますが、例えば世界史の試験では、第一次世界大戦から学べることを自分の言葉で記述せよ、といった自分の頭で考える問題が出されます。
生徒と教師との関係も近いようで、生徒の側で何か不満があれば声を上げていくとか、理不尽な叱責や校則などもなく、生徒たちは自由でのびのびした学校生活を送っているようです。
そして今の学校へ移って2年目に入りましたが、それまでのマングリッシュが抜けて、聞きやすく正確な英語を話すようになりました。実際に息子が英語のクラスで書いた創作の話を読んで「こんな文章が書けるのか!」と驚いたことがあります。
周りで話されている英語をそのまま吸収する時期に、非英語圏にあるインターナショナルスクールでこの環境に入れたことは、とてもラッキーでした。
この学校に行き着くまでには、実際にお子さんを通わせている親御さんにお話を伺ったり、相当調べました。
面白いと思ったのは、学校の良し悪しの判断は「何を求めているか」に依るんだな、ということ。うちの息子はA校からB校へ転校しましたが、逆にB校からA校へ転校した生徒もいることを後で知りました。
なので一般的に評判の良いインターナショナルスクールというのは存在しますが、何に重きを置いているかによって、どの学校が最適かはわからないということです。
【 追記 】
note で息子の卒業したダラットインターナショナルスクール(Dalat International School)について、詳しく記事を書いています。
スポンサードリンク
ペナン島へ来てよかったと思うこと
ではやっとここで本題に入りますが、ペナンへ来てよかったことを箇条書きで上げてみます。
-
- 生活コストが安い
- 人が温かい
- 文化的多様性
- 住居のコスパが素晴らしい
- 気候が穏やかで過ごしやすい
- ビザが取りやすい
- ご飯が感動的に美味しくて安い
- 服装が楽チン
- 英語で生活ができる
- 東南アジアへ気軽に旅行できる
- 理想的な教育環境
各々説明していきます。
生活コストが安い
来る前に聞いていた『マレーシアの物価は日本の1/3』というのは、実際のところそこまで安くはありませんでした。ペナンへ来てからずっとアプリで家計簿をつけていますが、私の場合は東京で生活していた頃のおおよそ半分くらいでしょうか。
マレーシアのどの地域に住むのか(特に首都のクアラルンプールでは、ペナン島よりもコンドミニアムの賃貸料が高いです)、またこちらでの生活様式や家族構成、インターナショナルスクールの学費などよって支出も大きく変わってくるので1/3というのはかなり大雑把だと思います。
参考までに例を挙げると、2人家族の我が家の2018年6月から2019年5月まで1年間の生活費の月平均はRM4,900/¥132,300でした。(該当時期の平均レート1MR=¥27で計算)
これは学費と年2回の近隣諸国への旅行費用を除いたものです。この金額に抑えることができたのは、コンドミニアムの家賃がこちらの一般的な日本人が住むところよりも安めであることが大きいと思います。
実際にかかった費用について「マレーシアペナン島在住6年の生活費公開 やっぱりかなり安かった!」に詳しく書いていますので、興味のある方はこちらをご覧ください。
-
マレーシア移住の生活費公開 ペナン島在住6年 やっぱりかなり安かった!
2013年の2月末にマ ...
続きを見る
人が温かい
マレーシアの人々の国民性はこの国に滞在する大きな魅力の一つです。
小さなことに拘らずおおらかでのんびりしていて、人当たりがいい。イライラしていたり自分の欲求不満から周りに当たり散らしたりするような人を見たことがありません。
一時期『マレーシア人は怒らない』『いや、怒っている人だっている』というようなツイートを目にしたことがありますが、それぞれの生活圏によって変わってくるのでしょう。外で仕事をしていない自分の経験では、少なくとも公共の場でキレている人に遭遇したことはありません。
逆に、物事がスムーズに進まない国なので、当然腹立たしくなるような場面にも出くわしますが、そのような時でも、終始穏やかな笑顔でいるマレーシア人に拍子抜けしたことが何度もあります。
市場へ行けば顔見知りの人たちから声をかけてくれて、初めて会う人と話し込むこともしょっちゅう。近所の人からは「作ったから息子さんと食べて」とご馳走をいただくこともあります。
寛容で他者に対する警戒心が低く、人懐っこい、おまけに親切。私は自分自身が知らない人ともサッとうちとける性格なので、マレーシア人とはウマが合う。自分が育った昭和40年代の良き時代のニッポンを思い出させてくれます。笑
文化的多様性
来る前に調べていた通り、マレーシアはバックグラウンドが異なる様々な民族が共存、共生している社会です。他人が自分と同じであることを期待しない、もちろん強制もしない。同調圧力とは対極にあるので、外国人の自分としてはとても居心地が良い場所です。
このような土地に暮らし、さらに色んな国籍の生徒がいるインターナショナルスクールに通う息子は、自然と『人はそれぞれ違って当たり前』ということを肌で感じているのだと思います。息子と話していて「あぁこの子には、誰がなに人であるとかいうことは全然関係ないんだな」と。
住居のコスパが素晴らしい
(写真)今まで住んだコンドミニアム
現在、私はこちらへ来てから2回の引越しを経て、ペナン島北部海沿いのコンドミニアムに暮らしています。メゾネット3LDKで家賃がRM1,500、本日の為替レートRM1= ¥25.5で計算すると日本円で38,270円になります。
東京ではここの約1/3 の広さ(というか狭さ )のマンションに約3倍近い家賃を払っていました。ニューヨークにいた時も毎月の家賃の高さにアップアップしていて、稼ぎのほとんどが家賃へ消えてていくことの虚しさでいっぱいでした。
考えてみると、持ち家のローン返済ならまだしも、自分のものにならない住処に多額の家賃を支払い続けることは人生の無駄だと思います。
こちらでは基本的に家具や電化製品などが備わっているので、自分で買う必要がなく、契約期間が満了になれば気軽に他へ移ることも可能です。
マレーシアにつきものの、物件の備品がすぐに壊れる、ということはかなり面倒ではありますが、『家賃が高くて狭く故障の少ない家』と『家賃が安く広いがすぐ壊れる家』であれば、私は後者を取ります。笑
-
マレーシアで物件を借りる際の注意点6選【 ペナン島移住7年目 】
成人してからÉ ...
続きを見る
気候が穏やかで過ごしやすい
マレーシアは常夏の国なので、1年中半袖で過ごせます。
実は、気候のことはこちらへ来る際にたいして眼中になかったのですが、この地に6年半住んでみて、体が驚くほど丈夫になったのは、いつも暖かいことも一因なのではと思っています。
寒くて風邪を引くということがないですし、気温の差に体がついていけないということもありません。日本でヨレヨレだった不調続きの私が、こちらで最後に寝込んだのはいつだったか思い出せないほど健康体になりました。
ビザが取りやすい
現在マレーシアに息子が学生ビザ、私が保護者ビザで滞在しています。
毎年更新する必要があり、ルールがしょっちゅう変わるので、非常に面倒くさいということはありますが、特に就労ビザなどを持っていなくても親子共々滞在許可がもらえるのは有難いことです。
ご飯が感動的に美味しくて安い
(写真)インド系、マレー系、中華系のご飯
食いしん坊の方に朗報です。ペナン島は食べ物が美味しいです!
自分にとって『食べること』は人生の楽しみの一つなので、様々な料理が安く食べられるペナンは最高です。中華、マレー、インド料理はもちろん、飲茶、タイ、ベトナム、日本、韓国、イタリアン、メキシカンからドイツ、ブルガリアその他色々あります。
値段もピンキリで、屋台であれば200円も出せばお腹いっぱいになります。
私の外食ツイートをご覧になったら『この人また外でご飯食べてるわ。どんだけ金持ちなんだ!』と思われるかもしれませんが、実は安いからできることです。日本でこの頻度で外食していたら、破産するでしょう。
あと料理が好きなので、様々なアジア系食材が安く手に入り、お金を出せば欧米系の輸入品も手に入ることは料理の幅が広がって有難いです。
服装が楽チン
これもこちらへ来て住んでみてわかったことですが、一年中暖かく(暑く)短パンにTシャツで過ごせることから、服を買わなくなりました。... というかオシャレをしなくなりました。笑
東京やニューヨークなどに住んでいると、四季があるのでシーズンに合わせて服装も変わるし、シティなのであまりダサい格好で出歩くことはなかったです。こちらでは皆さん楽な服装でいるので、自分も自然とそのようなスタイルになりました。
東南アジアの国で飛行機に乗ると、ちょっとそこいらのコンビニへポテチでも買いに行くような服装の人がいっぱい乗ってますよね。ゾーリに短パンとTシャツとか ... そんな感じです。
オシャレの楽しみは無くなりましたが、実はこの変化を気に入ってます。楽だから!
英語で生活ができる
ペナン行きを決めた理由のところで触れましたが、こちらでは英語で生活できています。
基本的に様々な表記にはマレー語と共に英語も併記されているので、言葉で困ることがありません。こちらの人たちは少なくともバイリンガルで、トライリンガルやそれ以上の数の言語を操る人が驚くほどたくさんいます。
今までの経験で、イミグレーションや警察署、車の登録をする道路交通局など、公的な機関での書類などは全てマレー語で書かれていましたが、係の方は皆さん英語を話せるので聞けば教えてもらえます。
「国語であるマレー語を話せるようになれば、もっとこの国や人々への理解が深まるかな」と思い、一時期マレー語を習っていましたが挫折しました。笑
それでも生活には全く困ることはありません。
アジア圏へ気軽に旅行できる
(写真)ミャンマー、インド
日々忙しい生活を送っている中で、唯一の楽しみは、子供の休みに合わせて出かけるアジア諸国への旅行です。
娯楽にかけられるお金は少ないのですが、LCCのエアアジアを利用して安宿に泊まるので、驚くほど安い費用で旅ができています。
今までベトナム、ミャンマー、ラオス、タイ、バリ島、インド、ボルネオ島など、息子と約2週間の日程で旅していますが、東南アジア/南アジア圏であればここから欧州への往復航空券2人分の金額で旅費の全てがまかなえます。
自分の人生で、旅は重要な位置を占めているので、それを可能にするマレーシアペナン島滞在は利点が大きいです。
理想的な教育環境
こちらについては、先ほどこれまでの息子のインターナショナルスクール転校の経緯を書いたので詳しくは触れませんが、ここへ来て今、一番良かったと思っている理由です。
もし以前の学校に通い続けていたとしたら、他のすべてのことがパーフェクトであったとしても満足度は低かっただろうと思います。日本の学校を辞めて来ている以上、息子には未来へつながる良い教育を受けさせたい。
現在通っている学校の学費は高額で、正直なところかなり無理をしています。それでも、たとえ自分の老後がどうなろうとも、私よりこれから先が長い息子の人生の選択肢を広げるために、できるだけのことをしたいという気持ちでいます。
ペナン島へ来て好ましくないと思うこと
では『これは困る、暮らしにくい』と思う点を挙げてみます。
車がないと動けない環境
ペナン島には電車がありません。
公共交通機関は唯一バスになりますが、バスが通っている地域はごく限られた一部であり、基本的にメイン通り沿いになります。そして時刻表などはないので、バスがいつ来るのかわかりません。
一番困ることは、バス停で待っていても、運転手の気分次第で停まってもらえないことがかなりの頻度であることです。
こちらへ移って来てから最初の2年半は、車を買う余裕がなかったのでバスを利用していました。
今のように配車アプリGrabなどなかった頃です。スーパーで買った大量の食料品を両腕に抱え、猛暑の中30分バスを待ち、やっと来たと思ったらスーッと素通りされたなんてことはザラでした。
バス会社には苦情も送りましたし、運転手に直接話したこともあります。それでも改善しないので、とうとう車を買いました。
そして車社会なので、道路は車のために造られていて歩行者はに人権ナシです。私の住むペナン島北東部の海沿いでは、まず道を歩いている人がほとんどいないです。
先日ペナンに来られた日本の方にも「横断歩道というものはないのですか?」と聞かれましたが「ないです」と答えました。笑
エリアによっては多少コンドの周りを歩けるような環境の場所もあると思いますが、基本的に歩行者のことは考えられていないというのが実情だと思います。
治安が良い、とは言えない
6年半ここに暮らしていて、自分や息子が何かの被害に遭ったということはなく、身の危険を感じる状況に居合わせたことはありません。
ただ、こちらの日本領事館から送られて来る注意喚起メールを見る限り、それはたまたまラッキーだからなんだろうと思っています。
通りでバイクの二人乗りにバッグをひったくられた人や、自宅へ泥棒が入った人も数人知っています。
普段生活していて特に治安が悪いと感じることはありませんが、それでも夜は必要がない限り外出しないなど、最大限の警戒はしています。
先日バリ島へ旅行へ行った際に、後ろからバイクの音が聞こえると自然に身構える自分に気づいてハッとしました。バリではそのような必要がなく、夜に外を歩けたので、あぁいう生活だったらずい分行動範囲が広がるだろうなと思いました。
テキトー過ぎる、でも...
物事の進め方がいい加減なので、簡単なことをするのにえっらく時間がかかります。
そして何か問題が起きた時に責任の所在がはっきりしないので、延々と問題解決にならないことがよく起こります。
例えば家の中のものが頻繁に壊れるという話を、こちらの記事にも書きましたが、その修理をしてもらうとなったら半日は潰れる覚悟でいないといけません。
修理の人が時間通りに来ることは皆無だからです。3時間経っても現れない、または連絡なしで来なかったなんてことも普通にあります。
でも、時間を守らない、というのはこちらの生活が長くなってくるともう当たり前の感覚になるので、アポイントには余裕を持たせるようになるし、自分も期待しなくなるだけです。
一番困るのは、銀行のような大事な機関で、内部連絡が機能していなかったりすることです。
具体例を挙げることは控えますが、冷や汗かきまくりの事態が過去に何度もありました。ただ、これは自分の利用している銀行の話なので、全てがそうであるかはわかりません。
この『いい加減さ』が生活の様々な面で支障をきたしたりもしますが、これはもう外国人の自分の力で変えることはできないので『嫌なら住むな』というだけの話だと思っています。
逆に次々と襲ってくるこのあちゃ〜!案件で、問題処理能力がついてくるし、経験値は爆上がりです。なので、できるだけストレスを溜めないようポジティブに捉えるようにはしています。笑
ここで重要なポイントがあるのですが、この『いい加減』『テキトー』というのは、実はメリットもかなりありまして、逆に言えば許容範囲が広く、自分もテキトーであることが許される、ということだと思っています。
つまりミスが許される社会。失敗はお互い様、とでもいうのでしょうか。なので欠点とは利点と背中合わせだなと思います。
大気汚染ヘイズ
インドネシアからくる煙害『ヘイズ』で空気が汚れていて、ヘイズの時期になると喉が痛くなったり頭痛がしたりします。
この6年半で外出したくないほどの酷いヘイズは一度だけですが、空気が淀んでいて空が白く喉がイガイガするような状態はたまにあります。
田舎なので飽きる
ペナンは山あり海あり街ありで、ほどよく田舎です。静かな暮らしができるという点ではいいのですが、東京出身でニューヨーク、サンフランシスコ、ボストンなどの大都市に住んでいた身としては、ハッキリ言って刺激がなくて飽きてきます。
まぁでもこれは都会に住めば住んだで、田舎に憧れると思うので、要するに無いものねだりですね。笑
医療について
最後にマレーシアペナン島の医療について、たまに質問を受けるので、私の経験を書きます。
ひとことでいうと、
通訳のいる大病院から、地元のローカルクリニック、公立診療所など様々な医療機関で治療を受けた感想として、まったく問題なしでした。
というより、お医者さんがこちらの質問にていねいに答えてくれるとか、飲むつもりのない薬は『要りません』と断ることができる点などで、日本で医者にかかるよりずっと良心的で信頼できると思います。
過去に、続く高熱と原因不明の嘔吐下痢の症状から、息子が2回ほど大きな病院に入院したことがあります。
検査も早く、最新の医療器具なども備わっており、アメリカの病院のようでした。私は通訳は必要なかったので通訳サービスは利用しませんでしたが、こちらの大病院は日本語通訳がいるところが多いので、語学面で不安な方も安心して受診できると思います。
もう何年も大病院へ行くようなことがないので、行くとしたら地元のクリニックになりますが、大病院よりも待ち時間が短く費用も安いです。
例えば息子の風邪の症状が長引き受診した時は、診察料と薬代合わせてもRM40 (¥1,000)ほどでした。数年前にペナンに日系のクリニックもできたので、そこへ行く日本人も多いようです。
ペナン移住おすすめのエージェントさん
最後になりましたが、おすすめのエージェントさんをご紹介します。
BEYOND MALAYSIA の長塚かおりさんです。Twitterはこちら。
ペナン島移住がまだ注目されていなかった頃から、子供さんを連れてこちらへ来られた先駆者的存在であり、実際にペナン島で子育てされています。
娘さんはペナン島のインターナショナルスクールと中華系私立校を経て現在は台湾の国立大学在学中。息子さんもインターナショナルスクールと中華系私立校で学ばれていますので、保護者としての目線も持ち合わせておられます。
私の友人で長塚さんのサービスを利用した人が何人もいますが、情報の豊富さと丁寧な対応、また親身なアドバイスに皆さん満足していますので、ペナン島の移住エージェントをお探しの方はぜひ長塚さんにコンタクトしてみて下さい。
まとめ
ペナン島へ来てみてどう?と聞かれたら、すごく良かった!と答えます。
6年半を通して様々な変化を経て、今この地で親子共々幸せに暮らしていられることに感謝の気持ちです。
オシマイ
こちらもどうぞ ↓
-
シングルマザー マレーシアペナン島移住への道 私のストーリー
2013年の春にマレ& ...
続きを見る
-
マレーシアの生活費 2019年9月家計簿公開【ペナン島在住6年半】
低迷を続けるニ ...
続きを見る