英語の勉強をしているけれど、
このような方に、実際に私の生徒さんで日本にいながら英会話をマスターした方の一例をご紹介します。
結論を先に言います。レッスンと並行して、それ以外での学習量が勝負です!この方が実践されたのは、たくさんある方法の中の一つです。もしご自分に合えば、日常会話に困らない程度の英会話力を身につけることは可能なので、ぜひ読んでみてください。
目次
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Mさんの最初のレベル
生徒さんのお名前をMさんとします。
大手企業勤務40代男性で、たまに海外出張などもあり。以下が初めて個人レッスンをした時の英語力の印象です。
- こちらの英語の質問に、しばらく考えてから答える。
- 文法の基礎的な知識はあるようだけれど、それが会話力につながっていない。
- 語彙力は中級レベルで難しい単語も知っている。
- 表現が日本の昔の和英辞書のようで固く、自然でない。
- 圧倒的にアウトプットが足りない。
最初にレッスンでやっていたこと
最初に使用した教材は2種類
一つ目は、日常会話を場面ごとの対話で練習し、丸々暗記していく口頭練習中心のテキストLongman出版の Expresswaysシリーズ。
二つ目は、英文を見ずにイラストだけを見ながら、短いオチのあるストーリーを数回聞き、その内容に関する質問に英語で答えていく「聴く」「話す」にフォーカスした教材、Oxford 出版のL.A.Hills Stories for Reproduction。
そしてレッスンの最初数分間は、その週にあった出来事などのフリートークでした。
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生徒さんが自習に使い絶大な効果があった教材
この形式のレッスンを週一で続けるのと並行して、彼はご自分でも色々な本で英語を勉強されていました。そして何冊もやってみた中で、ご自分に合う教材が見つかったと見せてもらったのが「必ずものになる・話すための英文法」という本でした。
研究社出版で市橋敬三さん著のこちらです。(様々なレベルがあります)
この教材は、英文法を知っているだけでなく使えるようにするというコンセプトの元に、英語構文ごとに約10の例文を繰り返し音読し暗記することによって、英語の構造や英語の発想を身につけ蓄積させていく、というものです。
付属のCDでネイティブスピーカーの発音を聞くことができます。
例えばシリーズ一番最初のStep1 入門編のTRACK 42 “What +名詞〜?「何」「何の」「どんな」” のページを見てみると、
What +名詞〜?「何」「何の」「どんな」
- What day’s today?
- What time’s it now?
- What flower’s this?
- What subject’re you weak in?
- What subject’s he good at?
- What kind of food do you like?
- What kind of music does she like the best?
- What type of guy’s he?
- What number’re you calling?
- What color do you like the best?
という What の後に名詞が来る様々な例文が載っています。ページの右側には、この例文に対応する日本語訳が載っています。
使い方と英語力の維持方法
Mさんは、毎日往復2時間の電車通勤時間を利用して、スマホに入れたこの音声を聞きながらブツブツとリピートし、文章ごと丸暗記していきました。
ひたすらリッスン&リピートするという単調な作業です。某有名大学卒の受験英語を経てきた彼には、簡単すぎる文章も多かったことと思います。
でも、見れば簡単な英文も、文字を見ずに自分から同じことをサッと言えるか?と聞かれれば、ノーだという英語学習者が多いのではないでしょうか。
そして、毎週の私とのレッスン時に、最初の数分間だけ、数ページずつこの教材の暗記定着度を口頭でテストすることになりました。私がランダムに右ページの日本語を言い、それに対応する英文を彼が言うというものです。
毎週、今日はこのページからこのページまでテストしてください、とご自分が勉強された範囲を指定され、時にはほんの2ページ、多い時には8ページくらい進めていきました。
一人で黙々と勉強するよりも、毎週テストされることで、何が何でも覚えようというモーチベーションにつながり効果的だったようです。
私から見ていて、たまに例文の単語を思い出せないことはあったものの、文の構造自体はしっかりと再現できていました。回数を重ねるごとに、文の組み立てを一から考えることなしに、段々と英語がサッと出てくるようになるのがわかりました。
この教材は構文ごとにまとめてあるので、同じような英文構造の文章が同ページに出てきます。それを何度も単語やフレーズを変えながらリピートしていく中で、自分のものになっていくのだと思います。
M さん自身も、言おうと思ったことが文の骨組みから考えずにすぐに出てくるようになった!と言っていました。
このシリーズは超入門編から上級編まで、現在9冊が出版されています。 入門編はある程度英語がわかる人には、一見易しい内容になりますが、それでも、彼は簡単すぎる、などと馬鹿にせずにしっかりと取り組み、全シリーズをページの端が黒ずんでボロボロになるほど使い込みました。
入門編から上級編までいったら、また戻って入門編へという具合に終わりがありません。ここまで使われたら、本も本望だと思いました。笑
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語学学習者が陥るパターン
多くの英語学習者は、一冊の教材が終わるとすぐに次へ移って行くと思いますが、英文暗記のようなものは、繰り返しやることに意味があります。
実際に英語圏に住んでいるとか、英語を日常的に使っている以外、言葉は一度覚えたと思っても、また忘れてしまうからです。
スポーツをしばらくやっていないと、例えば野球でとっさにボールを思った方向へ打ち返せなかったりするのと同じです。軽く素振りの練習をするように、いつも英語を口に出す練習をしておくことがとても大切です。
次から次へと色んな教材に手を出して、結局どれも中途半端に終わっていることの多さ。お金と時間ばかりどんどん費やして、たいして上達していない、という経験はありませんか。
自分も過去にスペイン語の勉強で同様だったので。結局もう処分してしまいましたが、あの1/10のお金で数冊に絞って集中してスペイン語を勉強していたら、今頃はトライリンガルだったかも。笑
マスターしてからのこと
結局 M さんとは、何年間にも渡りレッスンさせていただきましたが、この英語構文ごとの英文丸暗記を真剣に極めた成果で、日常会話はスムーズにできるようになったので、私とのレッスンはもっぱらフリートークになっていきました。
ある程度英語が話せるようになれば、あとは実戦でどんどん話すのみです。 同じ地域に住む同世代で、ご家族も知っていてお子さんもいる、ということから共通の話題が多くありました。子育てから夫婦、年老いた親の話、病気、仕事など本当に色々なことを話しました。
私から話題を振ることなしに、彼の方からたくさん話題を提供してくれるので、私はもっぱら聞き役に徹したのです。
そして所々、話の詳細を聞くための質問を投げかけたり、また M さんがうまく表現できない部分を補ったり、など。講師の私の出番はごくわずかで、会話の主導権を生徒さんが握る。こうなると英会話もグンと上達していきます。
講師の誘導に従ってその流れについていくのでなく、自分の言いたいこと、話したいことを中心として、そこで欠けている部分を学んでいけるからです。
まとめ
週1回の英会話レッスンのみで、英会話力をつけていくのは時間がかかります。不可能ではありませんが、効率が悪いです。
特に、まだ初歩の段階で基本的な文法が理解できていないとか、基礎単語力がないとか、何か言おうとしても頭が真っ白になり言葉が出ない、という方はレッスン以外の時間にご自分でどれだけ勉強されるかが上達のスピードを左右します。
勉強法には向き不向きが必ずあるので、この教材を使った英語構文ごとの丸暗記方法で効果がある人と、そうでない人といます。別の生徒さんで、同じことをやってみたものの、単調すぎて面白みを感じずに続かなかった例もあります。なので、ご自分で本屋さんでご覧になって、できそうだと思ったら、一定期間試されると良いと思います。
どちらにしても、普段英語を使う環境にいずに英会話力をあげようと思ったら、並大抵のことでは目標は達成できません。でも語学勉強の面白いところは、自分に合うやり方で学習するとやればやるだけ力がつくことです。 Keep up your good work!
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Twitter で英語学習者向けに英語表現などを発信しています。 @ezeigo2019