成人してから今までに合計18回引っ越しをしている引越し魔 Yokoです。アメリカ12回、日本3回、そしてマレーシア在住7年目の現在は3軒目です。これからマレーシアで賃貸物件を借りようとしている方に向けて、自分が経験した範囲で感じた注意すべき点をご紹介します。
マレーシアで物件を借りる際に注意すべきことは、アメリカや日本とは大きく異なり、ポイントを押さえておかないと後で後悔します。内装が素敵だとか、設備が充実しているとか、外見だけで決めていると、後々とんでもなく大変な思いをするかも。
自分の体験や、まわりの友達の体験から見えてきたことをシェアします。
目次
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確認リスト
結論から先にいうと、注意すべき点は以下の6点です。
- コンド周辺の環境
- セキュリティ(安全面)
- オーナー
- 設備が実際に使えるのか
- 物件内部
- 騒音
各々の項目を、経験談を交えて説明します。
コンド周辺の環境
交通機関
ペナン島には電車がなく、公共バスは一応ありますが、ごく一部のエリアを走っているだけです。時刻表もなく、バス停に人が待っていても、バスが止まるかどうかは運転手の気分次第。当てになりません。車移動が中心です。首都クアラルンプールでは電車やバスが通っていますが、郊外では車なしには不便な車社会です。
とは言え、自家用車が故障したり、Grab タクシーの配車アプリが不具合で使えないなどの問題があるときに、少なくとも徒歩でバス停へ行ける距離に家があると便利です。
時間のない自分にはとても不便で、結局は音を上げて車購入に至ったのですが、それでも車がない時でも、バスで何とか暮らすことはできました。
知り合いの退職者世代の日本人の方で、車なしでバスで生活している方もおられます。なので、車を所有しないつもりならばもちろん、車ありでもバスルート近くに住むとイザという時困らないと思います。
まわりの環境
全般的にペナン島は、歩行者のことを考えた道路設計にはなっていません。道路は車のためにあります。当然、横断歩道は、街の中心部くらいにしかありません。日本人が多く住む、北東部タンジュントコン以北においては、ほぼ皆無です。
バス通りでさえも歩道がないことが多く、たとえあったとしてもほんの10メートルくらい歩いたらいきなりなくなって車道オンリーになるとか、歩道の横幅が20センチしかなくて両足で歩けないとか、コンクリートが壊れて隆起していたり、大きな穴ボコが開いているとか... これが実情です。
コンドミニアムから一歩外へ出ると、全く歩けない、というのは大きなストレスになると思います。
我が家の場合、特に自分で車を運転できない高校生の息子には辛いですね。行動範囲が思いっきり狭まってしまうから。
最初に住んだコンドミニアムは、ガーニープラザという、ペナン島北東部のショッピングモールまで歩いていける場所にありました。横断歩道がなくて、大通りを命がけで渡る怖さはあったけれど、少なくとも注意すれば、ところどころある歩道を歩いて行くことは可能でした。
次に移り住んだ更に北のタンジュンブンガエリアの物件では、コンドを出ると歩道はないものの、すぐ横に小さな商店街があったので、そこのコンビニやドラッグストアやレストランへは歩いて行けました。
でも!今住んでいるコンドは、海沿いの絶景物件ではあるのですが、ゲートを出て行ったところのメイン通りには歩道がありません。おまけに狭いカーブで車がスピードを出すところなので、人は歩けない。
ティーンになっても、自分で自由に出かけられない子供は本当に気の毒。
コンドミニアムによっては、周辺を歩けるところもあるので、次回引っ越すときは要チェックだと思っています。
昼と夜の様子
コンド周辺の昼と夜の様子を確認しておいた方がいいです。
昼間は活気があるけれど、暗くなってからは人通りが全く無く怖い、ということがあります。街灯がなかったり、あっても壊れていたり …
なので、夜にそこへ帰ってくることを考えて、不安を感じないコンドだったらOK。
近所からの騒音
マレーシアの場合、日本と違って『大きな音を出すこと』イコール『まわりに迷惑』という文化ではないので、日本から来た人には、ハッキリいってうるさいなぁと思うことが多いと思います。
イスラム教のモスクから聞こえてくる早朝のアザーン、チャイニーズニューイヤー(中華新年)時の爆竹、中華系祭りの外舞台の演歌熱唱、インドのお祭り etc… 年がら年中外からの音がすごいです。
アザーンは自分的には耳に心地よい音ですが♪、すべての音がそうというわけではなく... 。チャイニーズニューイヤーの時には、お祝いの爆竹が続き、騒音もマックスになります。
前のコンドで夜中にシャワー中、ガガガガガッ!っと爆音がしたので、慌てて服を着てドアの外へ飛び出すと、コンドの廊下で爆竹をやっている隣の家族がいました。笑
この時期はうるさいので他国へ避難する、という退職者世代の日本人もいると聞いています。
ご参考までにこちらを。
これは、我が家の近くの行楽施設から流れてくる騒音です。ちなみに録音したのは夜の11:56分です。笑笑
それから、ペナン島は空き家だらけなのに、いまだにガンガン新しいコンドミニアムをそこいらじゅうに建設中です。
物件の近くに建築中の建物がある場合は、ものすごい騒音になるので、やめておいたほうが無難です。騒音のみならず、建築中に出るものすごい砂塵で窓を開けていられず、引っ越した友達もいます。
タクシー Grab
車を持っていても、例えば空港へ行くときや、車が故障して修理に出しているときなど、Grab という配車アプリで呼ぶタクシーを使うことがあります。車を持たずに移動はすべて Grab という方もいます。
とても便利なのですが、実はこれが何処からでもサッと乗れるというわけではないんですね。以前に住んでいたコンドは、住宅街にありながら大通りから少し奥まっていたため、すぐには手配できないことがかなりありました。
現在住んでいる海沿いのエリアは、朝早い時間には、まずつかまらないです。空港へ行くために Grab に乗りたい時に不便です。なので気に入った物件があったら、そこの入り口からGrabを手配してみるといいと思います。
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セキュリティが機能しているか
マレーシアのコンドミニアムでは、通常24時間体制のセキュリティ付きです。コンドミニアムの入り口に、ガードマンが数人いるという見守りのことです。
セキュリティの人がいても、その人たちの仕事っぷりを観察してください。
- コンドの中に入って来る人を、きちんと確認していますか?
- 外部からの訪問者に、身分証明書などを提示させていますか?
家賃が高いコンドほどセキュリティがしっかりしていると思いがちですが、必ずしもそうではないです。私の経験では、今まで住んだ中で一番家賃の高かったコンドのセキュリティが一番ずさんでした。
セキュリティのスタッフが数人いましたが、いつもスマホを片手に下を向いて座っているだけで、入ってくる人を全く見ていません。
実際、このコンドに住んでいない知り合いが、よくプールに入りに来ていました。何も言われなかったそうです。っていうか、全く見てもいない。笑
私が住んでいた時に、同じ棟で空き巣事件も起きています。
現在住んでいるコンドはセキュリティがしっかりしていて、荷物の配達などがある時にも、セキュリティから電話がかかってきて確認されます。
また専用のアプリがあって、自分の友人などが訪ねて来る時に、前もって車ナンバーを登録しておくようなシステムになっています。ここでは、空き巣の被害を聞いたこともなく安心です。
あと、余談ですが、前に住んでいたコンドのセキュリティの若い男性と会話する機会があり、顔見知りになったら、家のドア前で待ち伏せされたり、出かけようと誘われたりして困ったことがあります。
ジムやプールがちゃんと使えるか
マレーシアのコンドミニアムは基本的にプールとジム付きです。
実際に現在住んでいるコンドのジムでは、ウォーキングマシーンのうちの半分は壊れていて使えません。修理する気配もなし。
不動産サイトでここのコンドを見ると、えっ!?ジャグジーやテニスコートもあることになっている!笑
それって多分このコンドが建てられた当時の情報ですね。
なので、不動産サイトに記載されていることは鵜呑みにしない方がいいです。気になる部分は内覧時に要確認です。
ついでに付け加えておくと、不動産サイトの情報自体、正確でないことが多いです。実際は(特に写真)その物件は空いておらず、同じコンドの他の部屋が貸しに出されているのに、見た目がきれいな部屋の写真を掲載しているようなことがよくあります。
あと、全く違うコンドの写真を載せている場合もあり。笑笑
今でこそ、写真を見た時に知っているコンドであれば『この間取りはありえないだろ〜』というのがわかるようになりましたが、以前はわからずに『ワッ!すてき!』と思ってエージェントに電話をかけまくってました。笑
そして以前住んでいたコンドのプールは、手入れが行き届いていなくて水が汚いことがありました。それ故か?入っている人もあまりいませんでした。
なので、プールやジムを利用するつもりであれば、実際に自分の目で確かめましょう。
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オーナーさんはどんな人なのか
コレとても大事です!
こちらのコンドミニアムは、分譲マンションの各部屋をオーナーが個人的にテナントに貸して出しているので、オーナーと直接契約する形になります。
ほとんどの物件は家具や電化製品付きですが、部屋の備品が壊れた時に、どのような対応をするかはオーナー次第。 オーナー側が直すことを契約書で決められていても!です。
そして、大前提としてマレーシアでは、物件のグレードや新旧に関わらず、家の中のものがありえない頻度で壊れます。そこでスムーズに修理をしてくれないオーナーに当たってしまうと、QOLが著しく下がることになります。
ちなみに、在マ6年半時点での、私のリアルな家の故障体験については、こちらの記事の『住居費〜修理費について』に詳しく載せています。驚かれるかも!
2013年の2月末にマ ... 続きを見るマレーシア移住の生活費公開 ペナン島在住6年 やっぱりかなり安かった!
物件の内覧がオーナー立ち会いのもとで行われれば、やり取りなどから、どんな感じの人なのかは多少はわかります。
実際に私自身が物件の内覧に行った時に、オーナーさんとの会話の中で、あぁこのオーナーでは先が思いやられる、という印象を持ったことがあります。そのへんは自分の直感に頼るしかないんですけど。
オーナーが離れたところに住んでいることもあり、直接会って確かめられない場合には…
自分の経験では、最初に住んだコンドミニアム2つはオーナさんが近所に住んでいて、何か壊れた時の対応はとても誠実なものでした。ご自分で直せることはやってくれ、プロの助けが必要なときには修理の人を手配してくれました。修理費もほぼオーナーさん持ちだったと記憶しています。
現在住んでいるコンドはオーナーさんがボルネオ島に住んでいるので、家の故障は契約時のエージェントを通して手配されます。まず、
- 私からエージェントへ連絡
- エージェントからオーナーへ連絡
- 修理にオーナーが同意した場合には エージェントが修理人を手配
- 修理人と日程を調整
というプロセスです。
ですが、直接の話し合いではないため、実際に修理が完了するまでに、かなり時間がかかるというデメリットはあります。修理費については概ねオーナーさん持ちで行われてはいるので、ラッキーです。
まわりの友人は、オーナーの不誠実な対応に泣かされている人がかなりいて、それ故引っ越しを余儀なくされた人もいます。
ココがダメ
• ダニだらけのマットレスを変えない
• 部屋のカビからくる異臭を認めず改善しない
• 壊れた家具や電化製品をいつまで経っても直さない
• 傷つけてしまった家具の弁償として、法外な金額を請求する、など
初対面で、オーナーがどんな人なのかを見抜くことは難しいです。例えばちょっとしたやり取りの際に、こちらの希望に耳を傾けないとか、ともかく早く契約させようとするとか、質問をした時にいい加減な返事をするなど、誠意がないと感じることがあれが、やめておいたほうが無難です。
物件の騒音チェック
最初の方でコンド周辺の騒音について触れましたが、部屋のまわりの音も重要です。
同じコンドの他の部屋で改装工事が行われると、工事が終了する数ヶ月の間、ものすごい騒音と共に暮らすことになります。そしてこの内装工事がよくあるんです!
こちらでは、日本の集合住宅のように
『〇日から〇日まで〇号室の工事を行います』ご迷惑をおかけしますが …
云々などの告知は一切なく、いきなり天井や床をブルドーザーで壊すような爆音で始まります。笑
今まで住んだコンド3軒とも、こうでした。特に最初のコンドでは、
と思って慌てて上階へ様子を見に行ったら、何もなくて、音のする方へ近づいていったらナント!自分の階から5,6階上の部屋で大々的な工事が行われていて、床のタイルを道路工事に使うようなジャンボドリルで剥がしているところでした。笑
他の部屋の改装工事に関しては、入居する時には予測しようがないですが、もしも内覧時にそんな音が聞こえてきたりとか、新しいコンドで、まだ内装工事を終えていない(つまり誰も入居していない)部屋がまわりにあったりする場合は、要注意です。
それと、騒音に関してもう一点。 こちらのコンドミニアムは広く快適ですが、意外に壁が薄く上下階両隣りの音が聞こえることが多く、それ故のトラブル発生もよく耳にします。
子供の足音がうるさいと何度も階下の住人からクレームを受け、引っ越した友達もいます。また上階からくる早朝からのフィットネスバイクの音にノイローゼになっている人も。
現在私の住んでいるコンドは、最上階のメゾネット物件なので(2フロアーあり)、上下左右の部屋からくる騒音は一切ないです。でも以前に住んでいたコンドでは、下の家が夜遅くまでインド音楽を爆音で流していてかなりストレスでした。
なので音に敏感な方は、内覧の時にチェックしておいたほうが良さそうですね。
内覧時の部屋内部の確認ポイント
水回り
水漏れしていないか、蛇口を捻ってちゃんと水が出るか、または水の色は透明かどうか。
これは入居してからわかったのですが、建物が古くコンド全体の水道管の問題であるためどうにもならず。
給湯器
こちらは給湯器が付いてるのが一般的ですが、たまに機能していないことがあります。ちゃんとお湯が出るかどうかの確認を。
エアコン
ONにすると風は出てくるものの一向に冷えない、ということがあるので。
駐車スペース
自分の部屋に割り当てられている駐車場の場所を見ておく。まれに、かなり不便な位置にあったりします。
窓の鍵が閉まるか
各々の窓のロックがかからなかったり、開閉型の窓の取っ手がなかったり、窓がスライドしないこともあります。他の備品はともかく、安全に関することなので大事。
まとめ
このように、マレーシアでの物件チェックポイントは、日本や他の国とは異なります。
不動産エージェントにせかされて、よく確認せずに物件を決めてしまい後から後悔したり、再度引越しをしたりしなくていいように、基本的なポイントはもちろん、ご自分が気になることは確認するに尽きます。
尚、ペナン島での自分の体験を元に書いていることをご承知おき下さい。クアラルンプールやジョホールなど、違う場所であれば他にも気をつける点はある筈ですし、人によって体験も様々です。
他にまた注意点が出てきたら書き足していきますね。
オシマイ