2019 年にスタートした Google のサービスで、単語の発音を調べて更に自分の発音のチェックができる機能があるのをご存知ですか?実はこれ、普通の発音記号で覚えるよりも、単語の正確な音を把握するのにとても役に立つんです!なので使い方をご紹介します。
目次
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Google 発音機能を使うと?
知らない単語が出てきた時に、
これってどう発音するんだろう... 文字通り読めばいいのかな ...
と思ったことはないですか。
例えば、allow という単語の発音。音を知らずに単語の綴りだけ見てアロウと発音する人が多いのですが、この音はアロウではないんです。英語の発音を片仮名で書くのは避けているんですけど、分かり易くするために敢えて片仮名にするならアラウの方がより近い音になります。
Google の発音機能では、アルファベットのみを使って発音表記していますが、これは英語のネイティブスピーカーが発音を確認したい時に用いる「発音リスペリング (Pronunciation Respelling) 」と呼ばれるものです。
日本で一般的に使われている世界基準の発音記号 (IPA = International Phonetic Alphabet) は、見慣れない記号が出てきて分かりにくいですよね。Google の発音表記はアルファベットのみで書かれているので、慣れればこちらの方が使いやすいです。
また、Google発音機能では、単語の発音を調べられるだけではなく、自分の発音が正しいかどうかチェックする機能もついています。
スマホのマイクに向かって単語を発音すると、AI が音を認識して細かい部分の間違いを指摘してくれたり、正しい発音であれば Good job! と教えてくれたりします。現時点ではアメリカ英語のみしかチェック機能は使えないのですが、自分の発音がネイティブスピーカーにどのように聞こえるかも知ることが出来て、間違いを正していける貴重な機能です。
ではこの使い方をまとめますね。
Google 発音機能の使い方
Google の発音機能で単語の発音の仕方を調べます。
ここでは allow を例にとって解説します。手順は以下の通り。
step
1調べたい単語を検索窓に入力
step
2出てきた画面の口元をクリックし音声を聞く
step
3アルファベットで示された発音を確認する
step
4自分の発音が正しいかどうかチェックする
調べたい単語の発音を検索する
まず単語の発音のみ知りたい場合にはスマホの言語設定が日本語でも OK ですが、自分の発音が正しいかどうかをチェックする機能まで使いたい場合には、最初に言語設定を英語にする必要があります。ここではあらかじめ英語に設定したものを掲載します。
スマホで Google の検索窓に [ how to pronounce ] と調べたい単語 [ allow ] を入力すると次のような画面になります。この時にアメリカ英語かイギリス英語か知りたい方の発音を選択します。
私は毎回いちいち how to pronounce と入力するのが面倒なので、簡単に呼び出せるようにパソコンやスマホの辞書機能に登録していて「はつ」と入れたらすぐに how to pronounce が出てくるようにしていますが、使用頻度が高い方にはこの辞書登録はお勧めです!
出てきた画面の口元をクリックして音声を聞く
画面の赤枠の口元を押します。そうすると口が動いて allow の音が聞こえ2枚目の画像になります。
この時に口の左側に出ている音声のマークをを押しても同じように聞けますが、すぐ横の字が目に入ってしまうので敢えてこのボタンは使わないようにします。
何度か押して繰り返し聞きながら自分で発音してみます。ここで大事なことは、この段階では文字を見ずに、聞こえる通りに真似して発音してみるということです。文字は絶対に見ない!見てしまうと無意識にそちらの情報に引きずられてローマ字読みをしてしまったりするからです。
アルファベットで示された発音を確認する
そして次にアルファベットを使った発音表記(文字)で確認します。
allow の発音に関してはアメリカ、イギリス共に発音は同じなので両方とも uh · law と表されています。
uh ア + law ラウ= アラウ
通常日本の学校で習う allow の一般的な発音記号は əlaʊ です。どうでしょうか?
私にはこちらの方が圧倒的に正確な音を捉えやすいので、発音の確認には ① Google で文字を見ずに音声のみを数回聞き、聞こえた通りに発音してみる → ② 左のアルファベットの発音表記で確認、というステップです。
このアルファベットを使った発音表記「発音リスペリング (Pronunciation Respelling) 」の読み方をひと通り理解すると簡単に発音できるので、更に詳しく知りたい方は、記事後半の「Google 表記の母音」「Google 表記の子音」のところをご覧ください。一般的に使われている発音記号と対比させながら読み方(発音の仕方)を解説しています。
自分の発音が正しいかどうかチェックする
最後に自分の発音を Google先生 にチェックしてもらいます。
画面のマイクのマークと Practice と書いてある赤枠の部分を押して allow と発音してみます。(現在はアメリカ英語の発音のみチェック機能があるので注意)
正確に発音できると ↓このように Good job! よく出来ました!と教えてくれます。
ここで 試しにアロウと発音してみると次のようになりました。
発音がおかしい部分が uh · low と赤字で示されています。その下には " Try to say law instead of low "(low ではなく law と発音してみてください)とアドバイスが出て、そのすぐ下に How to improve (この音を上達させるには)のボタンがあるので押します。
するとこのように ow ではなく aw と発音する単語がいくつか出てくるので、左側の音声マークを押して各々の発音を聞き練習します。調べた単語のみでなく、似たような発音もまとめて練習出来るので苦手な発音の克服になりますね。
よく発音がわからない新しい単語を覚える時に、毎回この Google 発音チェック機能で正しい発音ができるように練習することを習慣にすれば、自分の発音に自信が持てるようになります!
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Google 表記の母音 / Vowels
ではここからは Google の発音機能に採用されているアルファベットで示される発音表記について、一般的に使われている国際標準の発音記号と比べていきます。この読み方をひと通りマスターすると普通の発音記号を知らなくても発音できるので是非、参考にしてみて下さい。
下の表(例 ①、②の次)の見方は左から順にこのようになっています。
- 一般的な発音記号(国際音声記号)
- Google の音声表記
- その音入った単語例
- その単語のGoogle の音声表記(アメリカ英語)
- その単語のGoogle の音声表記(イギリス英語)
例 ① itchy
最初に下の表の上から7番目にある itchy (痒い)を見てみます。
最初の i の音は、短母音で国際音声表記では ɪ 、Google 音声表記ではそのままiと表記されます。単語全体の発音は、Google 音声表記はアメリカ英語、イギリス英語共にi·chee です。二音節なので i と chee の間に - があり、i はストレスを置く意味で太文字で書かれています。
因みに itchy の国際音声表記は ɪtʃi なのですが、パッと見ても ɪtʃi よりもi·chee の方が分かりやすいですよね。
例 ② caught
次に catch の過去形、過去分詞形である caught の au の部分の音は、国際音声表記では ɔː 、Google 音声表記では aa, aw で、アゴを下げ喉の奥を開いて発音する O と言われます。caught 全体の発音は、Google 音声表記は kaat(アメリカ英語)、kawt(イギリス英語)になります。国際音声表記では caught は kɒːt(アメリカ英語)と kɔːt(イギリス英語)です。
ɔː の音は喉の奥を大きく開けて... と言われるよりそのまま kaat や kawt と発音する方が自然に喉の奥が開いてきませんか?
IPA 国際音声記号 |
Google 音声表記 |
Word 単語例 |
Google アメリカ |
Google イギリス |
ʌ | uh | cut | kuht | kuht |
ɑː | aa | army | aar·mee | aa·mee |
æ | a | apple | a·pl | a·pl |
e | e/eh | letter | leh·tr | leh·tuh |
ə | uh | about | uh·bawt | uh·bawt |
ɜː(ər) | ur, uh | hurt | hurt | huht |
ɪ | i | itchy | i·chee | i·chee |
iː | ee | eagle | ee·gl | ee·gl |
ɒ | aa, o | hot | haat | hot |
ɔː | aa, aw | caught | kaat | kawt |
ʊ | u | wood | wud | wud |
uː | oo | soon | soon | soon |
aɪ | ai | item | ai·tm | ai·tm |
aʊ | aw | outlet | awt·luht | awt·let |
eɪ | ei | rainbow | rein·bow | rein·bow |
oʊ | ow | toe | tow | tow |
ɔɪ | oy | noise | noyz | noyz |
eə | ehr, euh | airline | ehr·lain | euh·lain |
ɪə | eer, eeuh | here | heer | heer |
ʊə | oor, uor | tour | toor | tuor |
Google 表記の子音 / Consonants
次に子音です。子音に関しては、半数以上が国際音声表記とGoogle 音声表記と同じなのですが、一部 θ、ð、ʃ、ʒ、tʃ などの記号が異なります。
例 ① cheap
cheap (安い)の最初の ch の音は、国際音声表記では tʃ 、Google 音声表記ではそのまま ch と表記されます。cheese の ch ですね。単語全体の発音は、Google 音声表記はアメリカ/イギリス英語共にcheep です。
cheap は国際音声表記だと tʃiːp になりますが、tʃ の発音記号を読めなくても cheep だったら発音できますよね。
例 ② June
次に June(6月) の J の部分の音は、国際音声表記では dʒ、Google 音声表記では j のみです。June 全体の発音は、Google では アメリカ英語、イギリス英語共に joonです。アルファベットの O がふたつ続く音は「ウー」と伸ばすので j の後にそのまま続けると発音できると思います。
国際音声表記だと dʒuːnです。
IPA 国際音声記号 |
Google 音声表記 |
Word 単語例 |
Google アメリカ |
Google イギリス |
p | p | paper | pei·pr | pei·puh |
b | b | baby | bei· bee | bei· bee |
t | t | tea | tee | tee |
d | d | dog | daag | dog |
k | k | knock | naak | nok |
g | g | game | geim | geim |
f | f | biːf | beef | beef |
v | v | violin | vai·uh·lin | vai·uh·lin |
s | s | see | see | see |
z | z | zoo | zoo | zoo |
θ | th | think | thingk | thingk |
ð | th | this | this | this |
ʃ | sh | ship | ship | ship |
ʒ | zh | vision | vi·zhn | vi·zhn |
tʃ | ch | cheap | cheep | cheep |
dʒ | j | June | joon | joon |
h | h | happy | ha·pee | ha·pee |
m | m | money | muh·nee | muh·nee |
n | n | know | now | now |
ŋ | ng | ring | ring | ring |
j | y | yes | yes | yes |
w | w | window | win·dow | win·dow |
r | r | rain | rein | rein |
l | l | learn | lurn | luhn |
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まとめ
Google の発音機能を使って正しい発音を習得する方法
- 調べたい単語の発音を検索する
- 出てきた画像の口元をクリックして音声を聞く
- アルファベットで示された発音を確認する
- 自分の発音が正しいかどうかチェックする
Google で採用されている発音表記について母音、子音に分けて、一般的に使われている発音記号と対比させながら読み方(発音の仕方)をご紹介しました。使いこなせると発音がずっと良くなるので試してみてください。
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