farther と further は似ている単語で、使い分けがわからない!という方に、定番の解説とは少し違い、実際にネイティブスピーカーはどのようにこの2語を使っているのかに焦点を当て、各々の意味と使い方を音声付きの20例文と共にまとめました。
目次
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定番の farther と further の意味と違い
まず farther と further は両方とも(距離的/時間的に)遠い、(程度が)はるかに、を意味する far が不規則変化した比較級であり、形容詞、副詞の役割をします。
further には動詞もあるので最後に説明します。
一般的に farther と further の意味は、
- farther
物理的な距離が「さらに遠い、遠くへ」の意味で測ることができる距離のこと
- further
物ごとの程度が「それ以上の」「さらに(それ以上に)」の意味で抽象的なこと、とされています。
ところが実際にはネイティブスピーカーは further を物理的な距離を表すのにも使い、farther を抽象的な意味で使っていることも多くはないですがあります。
ロングマン現代英英辞典には、
- The police decided not to take the matter any farther. 警察はそれ以上何もしないことに決めた。
- They’ve never been further south than San Diego. 彼らはサンディエゴより南へ入ったことがない。
という例文が書かれてあり、1 の farther は測ることができない「それ以上に」の意味で、2 の further は物理的な距離の「遠さ」の話なので、一般的に言われてる定義には合いません。
Oxford Advanced Leaner’s Dictionary には、距離の意味で使う far の比較級は、アメリカ英語では farther 、イギリス英語では further が一般的であると書かれています。
また、アメリカ英語でもくだけた言い方では further を使うとか、現在では段々とアメリカでも farther ではなくfurther を使うようになってきているとも言われています。
総じて、英語圏の中でアメリカ英語では farther と further の使い分けをしている傾向にあり、イギリス英語が話されている国々ではよりフレキシブルに使われているのが実情です。
今回この記事を書くにあたり、英語で書かれている多くのサイトを調べましたが、イギリスでは farther は使わないと言っているイギリス英語話者が数多くいました。カナダの英語話者も同様でした。
このように farther と further の使い分けについては英語圏の中でも長い間議論があり、国や地域によって、また辞書によっても違うので、これが必ず正解という一つの答えはありません。文学においては、 farther と further は書き手のスタイルの選択だとの意見もありました。ですので、ここでは実際にどのように使われるかに焦点を当て、各々の単語を見ていきます。
farther の意味と例文
副詞
①(距離が)もっと遠く、もっと先に
アメリカ英語では farther を用いることが多く、イギリス英語では further の方が普通
②(程度や時間が)さらに、もっと
この意味においてはアメリカ英語、イギリス英語ともに further を使う方が一般的
もっと行ってみる?
これは例えば一緒にサイクリングをしてあるところまで来た相手に、もっと先まで行ってみる?と聞いているシチュエーションです。
もうこれ以上歩けない、足が棒のよう。
思ったより遠くまで運転してしまったことに気付いた。
引っ越しをしてから仕事場までさらに遠くまで運転しないといけなくなった。
形容詞
①(距離的に)もっと遠い
アメリカ英語では farther を用いることが多く、イギリス英語では further の方が普通
②(程度などが)さらに進んだ、それ以上の
この意味においてはアメリカ英語、イギリス英語ともに further を使う方が一般的
私の家はもっとずっと先です。
コインランドリーはこのブロックの先の奥にある。
バス停はこの通りをもっと行ったところにあります。
down the street、up the street の使い方についての記事はこちらをご覧ください
ポイント
ここで挙げた7例文の farther は全て further で置き換えられます。
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further の意味と例文
副詞
①(程度が)さらに、それ以上に
②(距離が)もっと遠くに/先に 主にイギリス英語、アメリカ英語では farther
③(時間的が)もっと先に(過去にさかのぼって、未来へ進んで)
④(接続詞的に)さらに言えば
この業務にはもっとずっと時間がかかる。
もっと読みたいです。
これ以上話し合っても無駄だ。
もっとよく調べた方がいいね。
来年以上先のことはわからないな。
先月より前のことは覚えていない。
彼は更に借金を重ねた。
get into debt 借金をする
形容詞
①(程度が)さらなる、それ以上の
②(距離が)さらに遠い 主にイギリス英語。アメリカ英語では farther
コメントは以上です。
彼女は新プロジェクトについてそれ以上詳しい情報はくれなかった。
さらなる情報はペナン島のエージェントにお問い合わせください。
さらなる改善の余地はある。
farther / further 使い方のポイント
- 「距離がさらに遠い、遠くへ」の意味では farther を使うのが正しいとされてきましたが、イギリス英語では圧倒的に further が使われており、現代では further も標準語とされているのでどちらでも良い。
- 程度を表す「さらに」の意味では further を使う。
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他動詞としての further
最後に further には動詞の意味もあります。farther には動詞はありません。
前進させる、促進させる
キャリアを次へ進める(出世する)ために大学院へ行くことにした。
減税は経済成長を促進することを期待されている。
farther / further まとめ
far の比較級 farther とfurther の使い方についてまとめました。
どちらを使うか迷った場合には further を使った方が意味の幅が広いのでこちらがおすすめです。
Twitter で英語学習者向けに英語表現などを発信しています。 @ezeigo2019
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